投稿日:2024年6月13日 | 最終更新日:2024年6月30日
初めての一人暮らしでは、「理想はあるけど適切な間取りがわからない」といったケースがあるかと思います。
そこで今回は、一人暮らしを始める20代社会人に向け、おすすめの間取り4選を解説します。各間取りの特徴とおすすめの理由を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
また、一人暮らしを始めた社会人が賃貸物件を選んだ決め手、間取りを選ぶコツなども解説します。自分の状況や希望のライフスタイルと照らし合わせつつチェックしてみましょう。
自分にとって適切な間取りがわかれば、候補となる賃貸物件を絞りやすくなり、ライフスタイルの理想を叶えやすくなります。一人暮らしをスタートさせてから、生活で感じるストレス減少にも効果が期待できます。
>>この記事でわかること<<
●一人暮らしの20代社会人は1Kや1DKを選ぶ傾向にある
●おすすめの間取りは「1R・1K・1DK・2K」の4種
●築年数の古い賃貸物件も候補に入れると、家賃と広さのバランスが取りやすい
一人暮らし×20代社会人が選ぶ間取りの傾向
一人暮らしの20代社会人はどのような間取りを選ぶのか、国・機関の統計データからその傾向を見ていきましょう。
間取りは1K・1DK
「国土交通省」のデータによると、29歳以下の人が選ぶ賃貸物件の広さは28㎡(約17畳)です。
この広さは延床面積なので、キッチンやバス・トイレが約8畳、居室は約9畳ほどの広さとなります。間取りは1K・1DKに該当します。
家賃は約4万円
不動産情報検索サイト「ハトマークサイト」によると、1K・1DKの家賃相場は約4万円です。
国税庁のデータによれば、20代の平均年収は約330万円、月収換算で約27.5万円。そして、家賃の目安は収入の1/4~1/3と言われています。
つまり、20代の収入であれば、1K・1DKの家賃は適切な範囲内と言えるでしょう。
ただし、家賃は地域や周辺環境、築年数などで左右されます。東京都23区内であれば、家賃12万円を超える1K・1DKもあります。
賃貸物件の選択肢が少ない場合は、1Rも含めて検討しましょう。
※参照
・賃貸アパート・マンション、不動産情報検索サイト – ハトマークサイト
・国税庁 民間給与実態統計調査2022
一人暮らし×20代社会人におすすめの間取り4選
一人暮らしを始める20代の社会人におすすめの間取りを4種紹介します。おすすめの理由も含め、各間取りの特徴を見ていきましょう。
>>地域・間取り別の家賃相場はこちらからチェックできます。
1R(ワンルーム)
1R(ワンルーム)とは、居室が一つでキッチンと区切られていない間取りです。1Rの特徴を見ていきましょう。
1Rの特徴
・専有面積は13~20㎡(キッチンやバス・トイレ込み)
・居室は6~9畳ほど
・居室が狭い場合はロフト付きの賃貸物件もある
・ほかの間取りより家賃が安い(全国平均は約3.86万円)
首都圏の場合は家賃5万円~が一般的ですが、他の間取りより相場は安い傾向にあります。家賃が生活費を圧迫しにくいため、20代の方でも選びやすい間取りです。
ただし、玄関から居室が見えてしまうので、プライバシーへの懸念があることを理解しておきましょう。
1K
1Kとは、居室とキッチンが区切られている間取りです。1Kの特徴を見ていきましょう。
1Kの特徴
・専有面積は20~30㎡(キッチンやバス・トイレ込み)
・キッチンは4.5畳未満、居室は約6畳が目安
・家賃(全国平均3.89万円)と広さのバランスが良い
・調理中の臭いが居室に入らない
1Kは居室とキッチンが区切られているため、生活のメリハリをつけやすい広さが確保されています。家賃は1Rより多少高いですが、コスト・広さのバランスが取れた間取りと言えるでしょう。
家賃を抑えつつも、くつろげるスペースを確保したい場合は、1Kを検討してみてください。
また、玄関から居室が見えないため、プライバシーを守りやすいこともメリットです。
1DK
1DKとは、ダイニングキッチンと居室が区切られた間取りです。1Kのキッチンスペースが少し広くなった部屋をイメージしてみてください。
1DKの特徴を見ていきましょう。
1DKの特徴
・専有面積は25~40㎡(キッチンやバス・トイレ込み)
・ダイニングキッチンは4.5~8畳
・居室は5~8畳
・家賃は1Kと大きな差はない(1DKの方が高め)
・家具や家電の設置スペース、収納スペースを確保しやすい
初めての一人暮らしで、家具・家電の設置スペースや収納スペースがどのくらい必要かイメージできない場合、1DKも選択肢に加えてみましょう。
1Kと1DKを比較すると、1DKの方が専有面積は広い傾向にあります。冷蔵庫やソファなどの大型家具・家電が設置しやすく、レイアウトには困らないでしょう。
ただし、家賃は1Kと大差ありませんが、1DKの方が多少高く設定されています。収入の1/4~1/3を目安に、生活費を圧迫しない賃貸物件を選びましょう。
経験談
著者の場合、初めての一人暮らしは1DKでした。都心部から離れ、築年数20年以上だったため、家賃は安めの4.5万円です。
ダイニングキッチンと居室は広さがほぼ同じで、大きな収納スペースも確保されていました。
個人的には、築浅・駅チカで5~6万円の1R・1Kよりも、くつろぎやすい広さのある1DKの方がおすすめです。
【番外編】2K
2Kとは、キッチンスペースを除いて2つの居室がある間取りです。2Kの特徴を見ていきましょう。
2Kの特徴
・専有面積は約30㎡
・キッチンスペースは6畳未満
・居室は約10畳(2部屋の広さ)
・築年数の古い物件が多く、家賃は安め
・用途に合わせて部屋が使える
2Kの間取りが流行ったのは1980年頃なので、築30〜40年の賃貸物件も多いです。専有面積は広いですが、家賃は1DKと大差ありません。
また、居室が2部屋あるため、仕事用・趣味用など用途に合わせて部屋を利用できます。社会人になって、「新しい趣味を始めたい」「仕事(テレワークなど)とプライベートをわけたい」といった場合は2Kがおすすめです。
ただし、物件数は他の間取りと比べて少ないため、1Kや1DKを優先して探しましょう。
一人暮らし×社会人が賃貸物件を選んだ決め手
「国土交通省 令和2年度 住宅市場動向調査」のアンケートをもとに、一人暮らしを始める社会人がどんな条件で賃貸物件を決めているか解説します。
また、各条件で押さえるべきポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
家賃が適切だった
アンケートで最も多かった回答が家賃に関する条件でした。20代の平均収入は、1ヶ月あたり約27.5万円です。
総務省統計局の「家計調査(単身)勤労世帯(2023年)」によれば、家賃を除いた一人暮らしの生活費(1ヶ月)は約17万円でした。
つまり、貯金や投資にまわすお金を考慮すると、毎月の家賃目安は5~7万円が適正となります。
家賃は毎月発生するウェイトの大きい固定費なので、生活費の圧迫が心配な方は「家賃>間取り」の意識で条件を検討しましょう。
※参照
・国土交通省 我が国の居住者をめぐる状況について
・家計調査(単身)勤労世帯(2023年)
立地環境が良かった
立地環境とは、以下の条件を指します。
立地環境の条件
・駅までの距離
・最寄りのコンビニやスーパーの有無
・周辺の治安
・周辺道路の交通量(車の量が多ければ、騒音・排気ガスなどに悩まされる)
20代社会人×一人暮らしの場合、駅までの距離は約15分が目安です。駅まで徒歩5~10分の場合、家賃は5,000円〜1万円ほど上昇します。
また、女性の一人暮らしであれば、「周囲に繁華街がない」「駅から自宅までに外灯がある」など、治安面も考慮しましょう。
賃貸物件を決める際は、「生活しやすい環境か」も考慮することで、日々のストレスを軽減させられます。
徒歩距離について
不動産会社が提示する徒歩距離は、信号や踏切、坂の勾配などが考慮されているとは限りません。駅までの距離は、実際に自分で歩いて確認しましょう。
住宅のデザインや広さ、設備が良かった
3番目に多い回答が、住宅のデザインや広さ、設備面が自分にマッチしていたことです。
具体的な条件を見ていきましょう。
デザイン・広さ・設備の条件について
・間取り、部屋数
・居室の広さ
・室内のデザイン(壁の色や部屋の形など)
・浴室の広さや設備(追い炊きやトイレ別など)
・台所の広さや設備(コンロ付きやシンクの広さなど)
20代の場合、キッチンのコンロや居室のエアコンなど、設備の整った賃貸物件がおすすめです。一人暮らしの初期費用は、30〜50万円はかかります。
少しでも初期費用を減らすために、最低限の設備(単独購入が高額なもの)が備わった賃貸物件を選びましょう。とくに女性の場合は、監視カメラやオートロックなど、セキュリティ面も考慮してください。
また、友人や恋人を自宅に招きたい場合、バス・トイレは別な方が無難です。
>>女性の防犯対策はこちら
【後悔しない!】20代の社会人が間取りを選ぶコツ
20代の社会人が間取りを選ぶコツについて、生活の安定性・暮らしやすさを軸に解説します。
築年数の古い賃貸物件も選択肢に入れる
築年数の古い物件には、以下のメリットがあります。
築年数の古い物件のメリット
・家賃が安くなる(築10年で家賃の1割ほど下がる)
・間取りの選択肢が多くなる
・リノベーション物件が見つかる可能性もある
築年数の古い賃貸物件は、建物としての価値が低下し、入居希望者からの需要も下がりがちです。家賃を下げて入居者を集めるため、安く・広い間取りの賃貸物件を探しやすくなります。
また、当然ですが新築よりも、築年数の古い賃貸物件の方が物件数は多いです。2Kなど特殊な間取りも見つけやすくなるため、築年数の条件を緩和してみましょう。
リノベーション物件であれば、新築同然のきれいな部屋に割安の家賃で住める可能性もあります。
廊下のある間取り(1K・1DK)を選ぶ
以下の理由から、賃貸物件探しでは廊下のある間取りを選びましょう。
廊下のある間取りを選ぶべき理由
・玄関から居室が見えるのを防ぐ(プライバシー保護)
・トイレの音やキッチンからの臭いを防ぐ
・冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などを居室に置く必要がない
「居室と玄関までに距離がある」「区切られている」といった間取りであれば、配達などの来客があっても玄関から居室が見えません。
また、1K・1DKの場合、キッチン家電に居室を圧迫されません。居室にテーブルやソファなど、リビング家具を設置しやすくなります。
自分の趣味・趣向に合わせて居室をレイアウトしたい方は、1K・1DKがおすすめです。
窓は東 or 南向きがおすすめ
窓の配置について、東・南向きのメリットを見ていきましょう。
東・南向きのメリット
東向き | 南向き |
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・自然と朝日が差し込む ・夏に室温が上がりにくい ・南向きより家賃が安い | ・日照時間が長い ・部屋が明るくなる ・洗濯物を干しやすい |
東向きは、夏になると日差しが室内に差し込みにくく、室温の上昇を抑えられます。朝日が差し込むため、午前中なら洗濯物を干しやすいでしょう。
一方、南向きは日照時間が長く、幅広い時間帯で部屋の中を明るく保てます。ただし、人気のある条件なので、家賃は高くなりがちです。
暮らしやすさを重視する場合、日の入り方も考慮して間取りを選びましょう。
北向きの部屋について
家具・インテリアにこだわりがある人は、北向きの部屋もおすすめです。北向きは日が入りにくいものの、紫外線による家具・インテリアの劣化を抑えられます。
洗濯物は干しにくいですが、室内にあるものを守りやすい間取りです。
20代は収入と家賃のバランスを重視しよう!
「お金のことにストレスを溜めない」「将来のために貯金をする」など、生活の安定力を高めるためにも、20代の人は収入と家賃のバランスを考慮しましょう。
とくに20代の前半は、30・40代と比べて収入は少ない傾向にあります。背伸びをして、家賃の高い賃貸物件を選んでしまうと、毎月の出費に苦しめられるかもしれません。
固定費の削減は将来へのリスクヘッジにもつながります。1Kや1DKなど、広さと家賃のバランスの取れた間取りがおすすめです。