収入面に問題はないのになぜかお金が貯まらない…。
そんな人は、日々のライフスタイルに問題があるかもしれません。
今回は、一人暮らしでお金が貯まらない人に向けて、貯金できない原因や貯金を成功させるポイントについて解説します。
具体的な貯金方法や貯金額の目安も解説しているので、「将来のためにお金を貯めたい」「資産形成したい!」といった人はぜひ参考にしてみてください。
原因さえ見つかれば、2年後には貯金100万円も決して夢ではありません。
一人暮らしでお金が貯まらない4つの原因
一人暮らしでお金が貯まらない主な原因を4つ解説します。
自分のライフスタイルと照らし合わせながら、日々の生活に問題・課題がないか見つけてみましょう。
支出の管理ができていない
一人暮らしでお金が貯まらない理由の一つは、支出の管理ができていないことです。
当然のことですが、貯金とは「収入(手取り)-支出」のプラス部分をコンスタントに貯め続けなければ成立しません。
しかし、支出を管理できなければ、「どのくらいの生活レベルを維持すべきか」「目安の貯金額に対する支出の割合」などの把握が難しくなります。
無駄な出費を抑えて貯金できるライフスタイルを送るには、支出の管理が欠かせません。
まずは毎月の固定費(一定額の支出)+目標の貯金額を確認し、どの程度の変動費(変動する支出)であれば問題ないのか算出してみましょう。
お金を貯める意識が足りていない
思うように貯金できない人は、お金を貯めることへの意識が不足している可能性もあります。
意識の不足とは、「簡単に口座のお金を下ろしてしまう」「目標の貯金額を設定していない」などの状態です。
たとえば、給料が振り込まれる口座にお金を残していたとしても、「今月はもう少し使おうかな」とちょっとした感覚でお金を下ろしてしまうかもしれません。
倹約家でもない限り、貯金の目的・目標などが定まっていない人は簡単にお金を使ってしまうでしょう。
とくに一人暮らしの場合、お金を使うのは主に自分のためなので、貯金の重要性を意識できないケースもあります。
「余ったお金を貯金する」のではなく、明確な目標を持って「貯金を前提としてお金を使う」という意識を持つことが大切です。
お金を貯める目標・目的が定まっていない
お金を貯める目標や目的が定まっていないと、貯金のモチベーションが維持しづらいほか、ついつい無駄遣いしがちです。
ただ漠然と貯金しようとしても、目標や目的がなければ「今月は少しくらい使ってもいいか」と貯金する予定のお金に手を付けてしまう恐れがあります。
「車を持ちたい」「結婚資金として貯めておきたい」など、どのような目標・目的でも構いません。
自分のライフスタイルに見合った目標・目的を定め、貯金の意思を揺るがせないことが大切です。
固定費が高い
固定費が高いと、毎月発生する一定額の支出を抑えられません。
固定費とは、家賃や光熱費、サブスクの料金など、毎月必ず発生する一定額の支出です。
光熱費は契約中のプランを見直したり、サブスクは利用頻度の低いサービスを解約したり、現状の支出を抑える必要があります。
固定費を節約し、浮いたお金を貯金にまわすことも検討しましょう。
詳しくは以下でも解説しています。
著者の場合、3つの配信サービスを契約していましたが、「明らかに利用頻度の低いもの」「利用する機会は多いが、特定の作品しか観ないもの」については解約しました。
必要なときだけプリペイドカードを購入するようにしたため、毎月の支出を約3,000円抑えられています。
一人暮らしでお金を貯めるために押さえるべきポイント9つ
一人暮らしでお金を貯める際は、以下のポイントを押さえて生活してみてください。
貯金成功へのポイント
「収入-支出=貯金」になる意識を持つ
「支出の管理ができていない」でも触れましたが、収入-支出で余るお金がなければ貯金はできません。
貯金を成功させたい人は、まず「お金を余らせる」ことから始めてみましょう。
無理に貯金する意識を持つ必要はありません。
お金を余らせようとするだけで自然と支出の管理へつながり、貯金への意識が強くなります。
コンビニに立ち寄る回数を減らす
日々の支出を抑えて「お金を余らせる(貯金する)」ためにも、コンビニに立ち寄る回数を意識的に減らしましょう。
「一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会」のデータ(2023年)によると、来店した人が使うお金の平均額は約720円です。
これには食品や日用品などの購入費すべてが含まれているものの、中でも人気の商品はお菓子やドリンク、お弁当などの飲食類です。
しかし、どの商品も必需品ではありませんよね。
「水筒にお茶を入れておく」「自炊して食事を用意しておく」など、いくらでも対策できます。
週5回コンビニへ行く方が、週2回にまで利用頻度を減らせた場合、約8,700円/月の無駄遣いを抑えられる計算です。
コンビニは店舗数が多くついつい立ち寄りがちですが、意識的に利用頻度を減らすだけでも貯金につながるでしょう。
電子マネーを使って支出を管理する
変動費(食費や日用品費など)の管理が上手くいかない場合は、電子マネーにチャージした金額だけでやり繰りする癖を付けましょう。
たとえば、月初に30,000円をチャージしておき、そのお金のみで昼食や消耗品などを購入するよう意識します。
残高を意識しながら買い物ができるため、余計な支出を抑える効果に期待できます。
ついついコンビニを利用しがちな人でも、支出を意識した買い物ができるでしょう。
また、電子マネーは使ったお金が記録されるため、無駄遣いがあるかどうか簡単に確認できます。
ポイント還元による節約にも期待できる方法です。
クレジットカードを安易に使わない
クレジットカードは「お金を使う」という意識が薄れてしまう恐れがあるので、支出管理がままならないうちは使用を控えてください。
クレジットカードは、現金なし(その場でお金が減らない)で買い物ができてしまう便利なものです。
しかし、残高を気にせず使ってしまう可能性があり、「収入-支出=貯金」への意識が薄らぐ恐れもあります。
貯金がコンスタントに続けられるようになるまで、クレジットカードを封印してしまう方法も検討しましょう。
貯金習慣に慣れたらキャッシュレス決済を活用
貯金する習慣が身に付いた人は、生活に係る支払いをキャッシュレス決済へ移行させ、ポイント還元を狙いましょう。
種類によって還元率は異なるものの、支払った分の数%はポイントとして還元されます。
ポイントは次回の買い物に使えるため、節約効果を発揮できるでしょう。
具体的にどのくらいの節約効果が見込めるのか、還元率を0.5%として、家計調査の結果(1ヶ月あたりの生活費)をもとにシミュレーションしてみます。
ポイント還元の節約効果をシミュレーション
項目 | 金額 | 還元額(ポイント) |
---|---|---|
食費 | 39,069円 | 195円 |
水道・光熱費 | 13,098円 | 65円 |
家具・家事用品の購入費 | 5,487円 | 27円 |
服・靴などの購入費 | 5,047円 | 25円 |
通信費 | 7,008円 | 35円 |
教養娯楽費 | 17,993円 | 90円 |
その他 | 31,071円 | 155円 |
合計 | 118,773円 | 592円 |
1ヶ月あたり592円分、年間にして7,104円分の還元です。
あくまでも還元率0.5%の計算なので、電子マネー・クレジットカードのキャンペーンが適用されれば、さらに還元率は上がるでしょう。
節約額は決して多くないかもしれませんが、1年間ポイントを貯めていけば、数カ月分の日用品費は十分にまかなえます。
貯金の習慣が身に付いた人は、積極的にキャッシュレス決済も活用してみましょう。
貯金を仕組み化する
給料からの天引きや銀行の自動積立など、貯金を仕組み化することで、意識せずにお金を貯められるようになります。
あらかじめ貯金にお金をまわしておけば、「残り数日は無駄遣いを減らそう」など、無理な節約を意識する必要もありません。
詳しくは以下でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
予備費(使ってもいいお金)も管理しておく
貯金を始めた際は、予備費(使ってもいいお金)も管理しておくと、万が一のときに対処しやすくなります。
たとえば、冠婚葬祭や賃貸契約の更新、自分のケガ・病気など、普段の生活費でまかなえない支出は必ずあります。
しかし、予備費を用意しておくことで、万が一の事態でも貯金を切り崩すことなく対処できます。
安定して貯金を続けたい人は、予備費の管理も始めましょう。
毎月の家計簿をつける
支出の管理がままならない場合は、毎月の家計簿をつけて「どこに・どのくらいお金を使っているか」を把握することから始めましょう。
十分な収入がありながらも貯金ができない人は、どこかで無駄遣いをしている可能性があります。
家計簿は無駄遣いを可視化できる便利なツールです。
節約できるポイントを見つけて、貯金にまわすお金を確保できるようになりましょう。
ただし、最初から完璧な家計簿はなかなか作れません。
まずは食費や消耗品費など項目を絞って作成してみてください。
電子マネーアプリを使った家計簿作成も簡単でおすすめです。
著者の場合、スマホでレシート読み取ってデータを入力できる家計簿アプリを使っています。
レシートを読み取るだけで、項目別の支出が簡単に管理できて便利ですよ。
日々の節約を心がける
思うように貯金ができない人は、固定費・変動費の節約を意識して生活してみましょう。
貯金の基本は支出を減らすことです。
中でも、通信費や光熱費などの固定費は毎月必ず発生するので、一度節約に成功すると安定して支出を抑えられます。
節約しやすい固定費を挙げていくので、参考にしてみてください。
節約しやすい固定費
・サブスク代:同じ系統のサービスを複数契約している場合、どれかを解約して一つに絞る
・通信費:スマホやネット回線はセットで契約して割引を受ける、格安SIMに乗り換える
・光熱費:ガス+電気のセット契約で割引を受ける
中でも、サブスク代は生活に必須な費用とは言えません。
利用頻度の低いものは解約し、必要なときだけ使う程度に抑えましょう。
一人暮らしにおすすめの貯金方法
一人暮らしにおすすめの貯金方法を4つ解説します。
注意点も踏まえて解説するので、失敗せずに貯金をしたい人はぜひ参考にしてみてください。
先取貯金で堅実にお金を貯める
「貯金を仕組み化する」でも解説したとおり、先取貯金によりお金を確保しておくと、確実に貯金を続けられます。
先取貯金とは、毎月の給料から一定額を強制的に別の口座に移し、残ったお金で生活する方法です。
先取貯金の方法をいくつか見ていきましょう。
先取貯金の方法
・自動積立定期預金:毎月自動で定期預金に積み立てるオーソドックスな方法
・社内預金:給料からの天引きで、会社に預金する(銀行よりも利率が良い)
・財形貯蓄:給料からの天引きで、銀行にお金を積み立てる
・つみたてNISA:毎月少額でできる投資信託の一つで、利益は非課税対象
・iDeCo:自分で運用する個人型確定拠出年金(自分でお金を入れて将来の年金とする)
・積み立て保険:保険料として支払うお金を積み立てられる保険
上記の中でもとくに注意が必要なのは、つみたてNISAとiDeCoです。
つみたてNISAは長期運用を想定した投資なので、短期間でお金が減ったからといって一喜一憂してはいけません。
数十年のスパンで運用することを念頭に置きつつ、あくまでも投資(利益が出ないリスク)であることも理解しておきましょう。
また、iDeCoは原則60歳になるまで、お金(掛金)を受け取れません。
掛金の減額や停止はできますが、自由に下ろせないお金であることを理解しておきましょう。
どちらの方法も、余裕資金がある人に向いた方法です。
貯金専用の口座を作る
毎月確実に貯金するためには、貯金専用の口座を開設しましょう。
「絶対に引き出さないお金」として専用口座を作っておくことで、堅実に貯金を続けられます。
具体的には、以下のように口座をわけてみてください。
簡単なお金の管理方法
・貯金:絶対に使わないお金として口座に預けておく
・予備費:使ってもいいお金として別の口座で管理する
・生活費:自由に使えるお金として引き出しておく、もしくは別の口座で管理する
毎月の収入やライフスタイルに合わせて、それぞれの口座に毎月一定の割合でお金を振り分けておきましょう。
一人暮らしでもしっかりとした貯蓄習慣を身につけることで、将来の安心や資産形成につながります。
先取貯金も含め、専用口座の活用を検討してみてください。
日々の小銭貯金
現金で支払う機会が多い人は、小銭貯金も試してみてください。
毎日、一週間など小銭を貯金箱に入れる習慣を身につけるだけで少しずつお金を貯められます。
必要なものは貯金箱だけなので、誰でも手軽に始められる方法です。
著者の場合、500円貯金を続けて、2年間で約80,000円の貯金ができました。
基本的にキャッシュレス決済で生活していますが、どうしても現金でなければ支払えないときもあります。
このようなとき、なるべく500円以上のお釣りが出るように支払いを済ませて、500円玉を貯金箱に入れるよう習慣化させました。
貯金の習慣がなかった人は、手軽に始められる小銭貯金からチャレンジしてみましょう。
一人暮らしの貯金は生活費6ヶ月分が目安
一人暮らしの場合、失業や急病などで働けなくなったときのことを想定し、生活費6ヶ月分の貯金は確保しましょう。
家計調査の結果によれば、一人暮らしの生活費(1ヶ月)はおよそ14万円なので、貯金額の目安は約84万円です。
貯金の目標金額を設定できていない人は、この額を目安に貯金を始めてみてください。
支出管理により毎月の生活費を把握している場合、あなたに合った金額を設定して貯金を始めましょう。
まとめ
十分な収入があるにも関わらず貯金ができない主な原因は、支出管理の不足です。
まずは自分が毎月どのくらいお金を使っているのか把握することから始めて、無駄と思える支出を抑えることから始めてみましょう。
支出管理に慣れてきたときは、「一人暮らしでお金を貯めるために押さえるべきポイント9つ」で解説したポイントも参考にしながら貯金を始めてみてください。
一人暮らしの場合、貯金額の目安は生活費6ヶ月分です。
目標を設定しモチベーションを維持しながら貯金を続けると、安定してお金が貯められますよ。